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【季節の養生】冬眠しない動物、人間。立冬に考えたいこと
こんにちは、健美堂の松田です。
今日、11月7日は立冬。
暦の上では冬の始まりです。
この時期、自然界は店じまいに入ります。
木は葉を落とし、熊は冬ごもりの支度をして、畑の作物は蔵にしまわれる。
ところが人間だけは、ここから一年で一番忙しくなります。
年末の仕事の追い込み、大掃除、忘年会、年賀状。
動物たちが休みに入る季節に、私たちはアクセルを踏み込んでいるわけです。
この時期、自律神経を崩す方が多い
院で毎年感じることがあります。
秋の終わりから冬の入り口にかけて、自律神経を崩される方が多いのです。
寝つきが悪い、朝起きられない、動悸がする、気分が沈む。
朝晩の寒暖差が大きくなり、日もどんどん短くなる。
そこに年末の忙しさが重なる時期です。
自律神経は、体のアクセルとブレーキを切り替える役目をしています。
体は休む方向へ向かおうとしているのに、暮らしはアクセルを踏み続けている。
そのずれが、自律神経に負担としてかかってくるのだと思います。
東洋医学では「陰」と「陽」で見る
東洋医学では、この釣り合いを「陰(いん)」と「陽(よう)」で見ます。
動くこと、温めること、外へ向かうことが陽。
休むこと、潤すこと、内にしまうことが陰。
冬は、一年でもっとも陰が深まっていく季節です。
体が陰の側、つまりブレーキの側へ傾こうとしているときに、陽のアクセルを踏み続けている。
それが、この時期に調子を崩す方が多い理由のひとつだと考えています。
古典は「朝寝坊してよい」と言っている
二千年ほど前にまとめられた東洋医学の古典『黄帝内経(こうていだいけい)』には、冬の過ごし方がはっきり書かれています。
冬の三か月は「閉蔵(へいぞう)」。しまって、ためておく季節。
だから、早く寝て、日が出てから起きなさい、と。
古い医学書が、冬の朝寝坊を勧めているのです。
今の暮らしでそのとおりにするのは難しいですが、
それだけ冬は「休むこと」が仕事の季節だということです。
冬に削られやすい「腎」
冬と関係の深い五臓が「腎(じん)」です。
腎臓そのものではなく、体を温める力や、年を重ねても動ける底力など、生命の土台を指す言葉です。
冬は本来、この土台を養う季節。
そこで無理を重ねると、養うどころか削り続けることになります。
ブレーキを踏むための、3つの小さなこと
1. 夜の予定をひとつ減らす
朝寝坊は無理でも、寝る時間を少し前に出すことはできます。
夜の予定をひとつ減らすだけでも、体にとっては十分なブレーキになります。
2. 腰と足首を冷やさない
腰には「腎兪(じんゆ)」、内くるぶしとアキレス腱の間には「太渓(たいけい)」という、腎とつながりの深いツボがあります。
この時期は、押すより温める。
腹巻きと、くるぶしまで隠れる靴下で十分です。
3. 汗だくになるまで動かない
古典には、冬は皮膚から気を漏らさないように、ともあります。
運動は、体がほんのり温まるくらいで止めておくのが冬向きです。
おわりに
冬眠はできなくても、ブレーキを少し早めに踏むことはできます。
年末に向けて走り出す前の、今日がちょうどいい切り替えの日です。
眠りや気分の波が気になりはじめたら、早めにご相談ください。