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【症例】機能性ディスペプシア|8年くり返す吐き気と胃の張り(30代男性)約1か月・10回の経過

2026.10.30
  • 8年前から、吐き気と胃の張りが何度もくり返してきた30代男性
  • 胃カメラでは異常なし。今年2月に続き、今回またぶり返して来院
  • 約1か月・10回の施術で、吐き気はほぼ出なくなった
  • 胃が落ち着いてからは、冷えと自律神経という体質の側に施術を移している

「ほんまに最初の頃と比べると、もう全然吐き気がまずない」

5回目の施術の日、ご本人がおっしゃった言葉です。30代後半の男性。夜勤を含む不規則な勤務で、まとまった睡眠がとりにくいお仕事をされています。

この方の施術の様子は、Instagramの動画でもご覧いただけます。

来院時の状態——8年のあいだに、くり返してきた吐き気

最初に同じ症状が出たのは8年前。そのときの胃カメラでは異常は見つかりませんでした。知人の紹介で県外の鍼灸院に月1〜2回、10回ほど通い、鍼と脈を診る施術で、良くなっていく実感があったそうです。それから長く落ち着いていましたが、今年の2月にぶり返しました。そのときは別の院に数回通い、食事を見直したことで落ち着いたと感じておられました。

そして今回、来院の2日前から「かなりしんどい」状態になりました。当院を選んだのは、家から近く、自分の症状を診てもらえそうだと思ったから、とのことです。

いちばんつらかったのは吐き気でした。そこに、ちょっと食べただけでお腹がいっぱいになったような膨満感、胸やけ、口に上がってくる苦い唾が重なっていました。来院の前には1週間ほど熱が続き、前日にようやく下がったところでした。

東洋医学から見た体の状態

まず目についたのは、冷えの強さです。足は一年中冷えていて、夏でもトイレが近い。体の中の水をさばく力も落ちていました。胃は冷えに弱く、冷えて水が滞ると、食べたものがうまく下りていかず、吐き気や張りとして表に出てきます。

もうひとつは、季節の寒暖差で体力が落ち、風邪をこじらせやすい体質です。睡眠が削られる勤務も重なって、自律神経が乱れやすい状態にありました。ご本人も「自律神経、乱れがちなんかな」と話されていました。

胃の症状を落ち着かせることを先にし、そのあとで冷えと自律神経という土台に手を入れていく。初診の時点で、そういう順番を考えました。

施術の経過

10月5日(初診)

この日も風邪の名残がありましたが、ご本人がいちばんつらい胃の症状を優先しました。みぞおちとおへその間を中心に施術し、力が足りず手応えがスカスカしているツボには、2〜3日貼っておけるシール状の鍼を貼りました。

少なくとも10回を目安に、お仕事の都合に合わせて週2〜3回、間隔をあけずに通っていただくことにしました。

10月7日

吐き気と胃の不快感は、ほとんど消えていました。「10段階のうち、もう1か2ぐらい」とのことです。一方で、風邪は今回1週間ほど長引いていました。

前回効いた施術を続けながら、風邪への施術を加えました。終わりがけに「生き生きしてきたような気がします」とおっしゃっていました。ご自宅で市販のお灸を試していただくよう、ご紹介しています。

10月10日

前回の施術の翌日、空腹のときに胃酸が上がってくるような感じと胸やけが出て、食後にも少し残ったそうです。ところがその翌日は、朝からぴたりと止まり、一日働いても出なかった、とのことでした。

この日、いちばん大きいと見たのは冷えです。体の寒と熱のつり合いが、冷えのほうに大きく傾いていました。ここからお灸を増やして、内側から温めていく方針に切り替えています。お腹のまわりをぐるりと巡る流れの詰まりも整えました。反応は左に強く出ていました。

良くなる途中で症状が一時的に戻ることはあり、その波はだんだん小さくなっていく、とお伝えしています。

10月14日

「昨日も全然、吐き気も出なくて」。ただ、前回(10月12日)の翌日は、空腹に近づくとお腹が張ってきて、はじめの頃に近い状態になったそうです。それでも、冒頭の言葉のとおり、吐き気はほとんど出なくなっていました。

深いところがしこりのように硬くなっているツボがあり、鍼で少しずつ緩めました。一度にやり切ると体の負担が大きいので、この日はここまでにしています。

10月18日

吐き気は「全くなくなってます」「ゼロですね」。お腹の張りも、いちばんひどかったときを10とすると1〜2くらい。「昔からあったかな、っていうぐらい」とのことでした。この頃、ご本人の判断で胃のお薬を一度止めて、様子を見ておられました。

胃が落ち着いてきたので、ここから施術の軸を体質のほうへ移しています。子どもの頃から乗り物酔いしやすく、それが自律神経の乱れや胃の不調ともつながっていることをお話ししました。気分が悪いときに押せる手首のツボもお伝えしています。

10月21日・24日

胃は良い状態が続いていました。朝食のあとしばらくして軽く張ることはあっても、以前からあった程度で、それも落ち着いてきているとのことです。

お仕事柄、心身を崩す人や眠れない人の話を身近に聞くことが多く、自律神経がいちばん大事だと意識するようになった、と話されていました。夜中に何度か目が覚める日も多いそうです。

施術は自律神経の調整に移しました。24日には姿勢の検査も行い、骨盤と首のずれを整えています。背骨のそばからは自律神経が出ているためです。

10月26日

「かなり調子がいい」とのことで、お腹の張りもあまり感じなくなっていました。前日に喉の引っかかりが少しあったものの、朝には治っていたそうです。

体力がやや落ちている兆しがあったので、風邪がひどくなる前に整える施術を加えました。この日は、気の巡りを受け持つ働きの乱れが大きく、それが自律神経にもつながっていると見て、足と背中を中心に施術しています。

10月30日(10回目)

前回からは全体に安定していました。一度、晩ご飯を食べすぎたあとにお腹が少し張ったものの、気持ち悪くなるほどではなかったそうです。いつもの量のお弁当だった前日は、張りも気分の悪さもまったくありませんでした。ご本人も「食べすぎたんかな」と。

大きな症状はなくなりましたが、食べすぎると張りやすい状態は残っています。良くなってきたからこそ、悪くなったときに気づきやすくなる、とお伝えしました。

この日は、寒暖差の大きいこの時期に多くの方に出る、流れの滞りによる硬さが強く出ていたため、そこをほどく施術をしました。痛みや響きを確かめながら、ツボの正しい深さまで少しずつ進めています。響きは奥まで届き、「嫌な痛みではない」「全然我慢できる」とのことでした。最後に体のねじれを整えて終えています。

今後はしばらく週2回を続け、大きく崩れなければ週1回、10日〜2週間に1回と間隔をあけていく予定です。ご本人は、良くなったあとも月に1回、体の手入れに通いたいと話されています。

施術中のご本人の言葉

「10段階のうち、もう1か2ぐらい」
「生き生きしてきたような気がします」
「ほんまに最初の頃と比べると、もう全然吐き気がまずない」
「昔からあったかな、っていうぐらい」

同じようなお悩みをお持ちの方へ

検査では異常がないのに、吐き気や胃の張りがくり返す。機能性ディスペプシアは、一度落ち着いても、季節や忙しさをきっかけにぶり返すことがあります。

この方も、良くなる途中で二度、症状が戻る日がありました。それでも波は少しずつ小さくなり、胃が落ち着いてからは、冷えや自律神経といった、ぶり返しやすさの元のほうに施術を移しています。施術は今も続いています。

胃の不調がくり返してお困りでしたら、一度ご相談ください。

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※患者さまの許可を得て、プライバシーに配慮し一部を改変して掲載しています。

※症例は個人の経過であり、効果を保証するものではありません。

※お薬の調整は、必ず主治医にご相談ください。

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