【季節の養生】 「桃の花と肝臓のちから」
2025.04.04
春の養生と「肝」の関係 - 東洋医学の視点からみるこころとからだの整え方 -
東洋医学では、自然界の変化と人体の働きは密接に関係していると考えられています。
春は草木が芽吹き、あらゆる生命が活性化する季節ですが、それと同時に私たちの心身にも大きな変化が訪れます。
この時期に不調を感じやすい方は、「肝(かん)」の働きに注目してみるとよいかもしれません。
春は「肝」の季節
五行説において、春は「木」に属し、五臓では「肝」と対応しています。
肝には、以下のような重要な生理作用があるとされます:
- 疏泄作用(そせつ):気・血・津液の流れを円滑に保つ
- 蔵血作用(ぞうけつ):血を蓄えるとともに、必要に応じて放出する
肝はまた、情緒や精神活動にも深く関係し、「怒」の感情と特に結びついているとされます。
そのため、春は「イライラ」「不眠」「めまい」「情緒不安定」など、気の滞りによる不調が現れやすくなるのです。
桃の花と肝の関係
春の象徴ともいえる「桃の花」は、東洋では古くから魔除け・浄化・長寿の象徴とされ、
肝の働きと深い関係を持つ存在としても語られてきました。
桃は肝の五行である「木」に属し、肝の機能を助け、巡りを整える作用があると伝えられています。
また、古代中国の『神農本草経』などの古典にも、桃の花や種の活用例が記されており、
「血を巡らせ、邪を払う」薬用植物として扱われてきました。
春のゆらぎに対する東洋医学的な養生法
春の肝の不調は、気の滞り(肝鬱)や熱(肝火)として現れることが多くなります。
以下のような養生を意識すると、肝の疏泄を助け、心身のバランスを保ちやすくなります。
- 酸味の摂取:梅干しや柑橘類など。肝を引き締め、巡りを整える
- 香りの良い食材・ハーブ:しそ、ミント、セロリなどは気の巡りを促進
- 早寝早起き・軽い運動:滞りを防ぎ、のびのびとした生活を
- ストレスの軽減:深呼吸や気分転換の時間を大切に
動画でも詳しくご紹介しています
今回の内容は、春の自然の中で撮影した映像とともに、
YouTube動画でもやさしく解説しています。ぜひご覧ください。
健美堂からのご案内
健美堂では、鍼灸による自律神経や肝気の調整を通して、
春特有の不調(イライラ・不眠・動悸・めまい・生理不順など)に対応しています。
気の巡りを整え、身体と心が自然と調和するお手伝いをいたします。
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